<着物の基礎知識一覧>
・「運針」という技術
・動画で紹介
・和裁用具のご紹介
・基礎縫い
1.縫い方
(1)本縫い(ぐし縫い)
布を縫い合わせるとき最も多く使う縫い方で、運針は主にこの練習をします。
縫い目の大きさは、4㎝位の間で布の片側に出ている針目の数を6~8目にします。
(2)縫い返し
始めの縫い目の間に、糸を割るように縫い返します。
(3)半返し縫い
一針の半分返って次の一針を縫い進む縫い方で、ほころびやすいえり先やそで付けどまり、そで付け山などに使います。
2.糸のとめ方
(1)打ちどめ(玉どめ)
針に通した糸はしに糸玉を作って縫うことによって、縫い始めをとめ、縫い終わりにも糸玉を作ってとめます。
<手順1>
縫い始めの糸玉(玉結び)
親指と人差し指で糸はしを持ち、人差し指に一巻きして輪を作り、くるっとひねって輪を指先よりはずします。中指の爪と親指で押さえて糸を引っ張ると糸はしに糸玉ができます。糸玉がちょうど糸のはしになるよう注意します。
<手順2>
縫い終わりの糸玉(玉どめ)
縫い終わりの縫い目に直角に針をあて、針先に糸を2~3回巻き付け、親指で押さえ針を引き抜いて糸をしめます。
(2)返しどめ
縫い始め、縫い終わりともに4~8㎝縫い返します。縫い返すときに始めの糸を割るように針目を出します。
(3)すくいどめ
縫い始めや縫い終わりで、ごく小さく一針布をすくい、針先に糸を2~3回巻き、針を引き抜き、糸にしっかりよりをかけながらしめます。
(4)かんぬきどめ
縫い目に直角に0.4㎝位の針目で糸を2本渡してすくい、この2本の糸を芯にして針を通し糸をかけて引きしめます。渡した糸いっぱいに糸をかけ、さらにもう一度余分に糸をかけてしめ、裏へ糸を出してとめます。単衣物のそで付けとめ、わきどまりなどに使います。
3.縫い合わせ方
(1)合わせ縫い
布を合わせて縫う、最も基本的な縫い方で、普通に縫うといえば、この方法のことをいいます。
(2)二度縫い
一度決まった縫いしろを縫い、さらにもう一度耳はしより0.3㎝位入ったところを縫って(空縫い)、縫いしろが開かないようにすることをいいます。背縫いなどに使います。
4.くけ方
(1)耳ぐけ
布はしが耳のときに、そのままでくける方法で、耳から0.2~0.3㎝入ったところに、小さく裏・表・裏の順に針目を出し、次の針目までは布と布の間をくぐらせます。
(2)折りぐけ
布はしを0.8~1㎝位折り、折り山の0.1㎝位内側に針を通して表布に小さく針目を出してくけることをいいます。
布はしを三つ折りにして、折り山をくける方法を三つ折りぐけともいいます。針目の間隔は布地と折りしろによって変わります。
(3)本ぐけ
2枚の布のくけしろを裏に折って合わせ、表側からくけ合わせる方法で、折り山の0.1~0.2㎝位内側を、縫い目に合わせた針目でくけ合わせます。
5.しつけ
(1)一目落し(平しつけ)
裏に一目ずつ小さく落として押さえます。
(2)二目落し(大小しつけ)
裏に二目ずつ小さく落として押さえます。
(3)縫いしつけ(ぐししつけ)
表に小さく目を出して押さえます。
6.糸のつぎ方
(1)重ねつぎ
縫っている途中で糸が足りなくなったり、切れたりしたとき、縫ってきた糸はそのままにして切り、新しく縫いつなぐ糸のはしを玉どめして、5~8㎝手前から前の糸を割りながら縫い重ねていきます。玉どめは、布の向こう側へ出します。
(2)重ねぐけ
くけ糸が途中でなくなったとき、くけ終わりの糸はそのままにして、新しくつぎたす糸で、数針同じ針目の糸を割って重ねてくけます。